百合分類「座標」図を作成しました
チャートの反省点
- 作品とジャンルの一対一対応は難しい
- 対立構造をうまく描けていない
- 若干煩雑
以上のことから、今回は座標図を用いました。
百合における最も大きな2つの対立をそれぞれの軸に入れ、象限別に考えます。
X軸について
x軸には「身体関係(肉体関係)の有無/許容非許容」をとりました。
いわゆる「百合は清く正しく!」というかたは左側になります。
Y軸について
Y軸は「ファルスの有無」です。ここでのファルスは「象徴的男根」を指します。
つまり、「男性的なもの」が存在するかなのですが、これは何も直接的に「ペニス」のみを指しているわけではありません。
一般的に「男らしい」「かっこいい」と称されるもの全般、と捉えて下さい。
百合作品内でいえば「かっこいい先輩」「男装の麗人」なども入ります。
これらはマスキュラン、というのが一番近いかと思いますが今ひとつ知られていないのでファルスとしました。
マスキュラン(masculin)はフランス語で、ちょうどフェミニン(feminin・フェミナン)の対義語です。
象限別の視点
ここに、それぞれの象限に相当する作品ジャンルを当てはめました。
第二象限(黄)「お姉様系」
肉体関係はないけれど、男性性は存在するものです。
「女子高もの」によくみられる「かっこいい先輩」のような「男っぽい女」が登場する作品はここに含まれます。
(09/28 02:00追記:すっかり重要なものを忘れていました。「かしまし」のような作品は典型例で、最も左上に属する作品でしょう)
第三象限(青)「少女系」
男性性も存在しないし、肉体関係も存在しない。
つまり「『おんなのこ』だけの世界」ということです。
まさに「吉屋信子」的少女世界の作品がここに当てはまります。
第四象限(緑)「GL系」
女性が女性として女性を肉体的にも愛する作品です。
ここはラベリングするのに悩んだのですが、とりあえずBLのカウンターパートとして「GL系」としておきました。
ここについては直接的なセックスからキス程度まで幅広く含まれ、原点からの絶対値の幅が広そうです。
百合の対立構造
Y軸よりもX軸の対立が浮き彫りになっています。
「百合」には肉体関係は必要ない、という一派は少なからず存在します。
Y軸については、表面化することは少ないですが作品に対する評価時に二分されます。
ただ、相手を排撃すると言うことはそこまで多くはない気がします。
これらの対立は非常にラディカルな問題ですので、もはや「百合」の一語に収斂されることは不可能です。
というより、どれも等しく「百合」であって、そのなかでの分類問題でしょう。
新たな言葉の出現を待ちたいところです。
ご意見お待ちしております。