神秘の世界エルハザード (OVA)SFファンタジーものとして非常に良くできた恋愛譚

百合設定と個性的なキャラ、どこか憎めない悪役

そのうち、もっと詳しい記事を書きたいところですが、多分時間がないです。

良かったところ

1.のっけから登場する個性的なキャラクター「陣内」

こいつがすばらしい。声優は置鮎氏。こういったぶっ飛んだキャラクターを演じさせると一級品です。

どうすばらしいかといえば、
実の妹にまで「アレ」(多分、キチガイが放送禁止だからこうなったのでしょうか、その前に観ていたルパン三世1st.シリーズでは連呼していましたが)とまで言われてしまう人格破綻
例えば
「主人公に対して異常なまでの怨恨」
「支配・服従・征服といった言葉への異常反応」
このあたり。でも、このキャラクターが最後になって生きてくるから素晴らしい。その辺は観てからのお楽しみ。
ちなみに、wikiによれば、TV版ではもう少しまともなキャラクターなんだとか。行きつけのレンタルビデオショップにはOVAしかないのでわかりませんが。

何故ここまでほめるかと言いますと、「悪役の目的意識」って非常に重要で「戦う理由」が存在しない限りは普通は戦いませんよね。

過去の記事で「プリキュア」について触れましたが、プリキュアの悪役の目的はざっくりいって「悪の帝王の復活」「悪による世界征服」です。
・・・世界征服になんの意味が?

が、陣内がいるおかげで、悪役の目的という問題は一挙に解決されます。
理由なんて、ない、いらないのですから。
彼の目的は、「支配」と「主人公への勝利」の二点に集約されるのですから。
この原動力は、彼自身のアイデンティティでして、ここに理由を付加する必要はないでしょう。彼は「純粋悪」の象徴なのです。ムスカ様のように。

2.過剰なまでの美形女性キャラ

美女の世界エルハザードというサブタイトルをつけるほど作為的です。

ざっとあげても(おおむね登場順、ネタバレがあるので)
同級生:陣内菜々美
ロシュタリア王国(主人公たちのついた国)王女:ルーン・ヴェナス
侍女:アレーレ
敵国女王:ディーバ(実体は虫ですが)
大神官:シェーラ・シェーラ
大神官:アフラ・マーン
大神官:ミーズ
鬼神:イフリータ
王女の妹:ファトラ

ゲーム版ではほぼ全員攻略可能なんだとか。いいかも。
個人的な好み?シェーラ・シェーラじゃね?言葉遣いがもう少し温和しければ、ですが。はいはいツンデレツンデレ

90年代後半のアニメですから、今からみると声優陣が非常に豪華。
声だけでも聞く価値有りです。
上手ですし。

ストーリーテリング

こういった萌え要素も大いに強いアニメでは、大概ストーリーなどあってないようなもの(要は、主人公とメインヒロインをくっつけるために作ったに過ぎないことが見え見え)ですが、これがよくできたシナリオなんですよ!
第一話の謎が、ちゃんと回収されるあたり。でも、実のところは、彼女が登場してきたところ(中盤)でだいたいわかってしまいましたが・・・。しかしながら、「神の眼」といういわば「舞台装置」をフル活用していました。

・・・ネタバレ回避しながらほめるってむずかしいな

「アレーレ」の百合っぷり

・・・これはいわずもがな。
大変なことになっています。OVA2期はもっと大変なことになっているという噂もちらほら。これから観ます。

ともあれ、この作品は男同士のキスがあったり、結構同性愛の描写があります。「この子は俺が守る!」といったありがちな展開にはならないので、おもしろいです。これもあって、ガレスの深みが増しています。

物語の根幹をなす「アレ」は解決しない?

確かに、この物語を成立させるにあたって解消しなければならない問題は有ります。タ********です。こればかりは、目をつぶるしかなさそうです。
予め決定づけられた運命、と言うことを本人たちも語っていましたし。

小説版は倉田英之、百合か?

探してきます。